或る時期、Web小説を貪るように読み耽っていた時期があった。
そして、自分の読みたいWeb小説が存在しないことに気づいた。
かといって、商業作品でも自分の趣味嗜好に合致する小説が見当たらない。

なので、自分で小説を書くことにした。

もしも、日常生活の中で、なにか不満や不便を感じることがあれば、それは商機だ。

大体、世の中そうそう〝特別な人間〟なんていない。「自分は特別な人間だ」などと考えるのは、思い上がりに過ぎない。
自分が特別な人間ではない、ということは、同じような不満を抱く人が世の中に一定数いるという証左であろう。

果たして、実際に自分が読みたいと思う小説を書いてみると、それなりに反響があった。
僕の小説の感想は「面白かったです」の一言だけのような短文は少ない。
所謂、Web小説とは趣を異なるものとする故、読者層も異なるのだろうと推察される。

結果的に、隙間を埋めるような形で、新たな読者層を掘り起こしたように思う。